君を探して

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「義姉上、小喬を見なかったか?」
周瑜は孫策を探しに来たとばかり思っていた大喬はぱちくりと目を瞬かせた。
こうやって孫策の執務室に周瑜がやってくるという理由と言ったら大半は仕事のことだ。
孫策と大喬は手を休めてお茶の時間を過ごしていた。
「今日は逃げてないぞ」という表情を浮かべて孫策は周瑜を見た。
「小喬ですか? そういえば…先ほど、一緒にお菓子を作っていて周瑜様に持っていくと言って別れましたが…」
「なるほど」
「ケンカでもして小喬に逃げられたか?」
「そんなことはしない」
軽く一蹴されて孫策は周瑜に向かって舌を出した。
「すまない、邪魔をした」
「いえ」
周瑜は大喬にだけ頭を下げて執務室から出て行った。孫策はかなり不満そうだった。

*****
「さて、どこに向かったのやら…」
ふと回廊を歩いていた周瑜の足が止まった。
中庭に小喬の姿を見つけたのだ。
「そんなところに居たか」
周瑜はほっと胸を撫で下ろす。
しかし、よく見ると中庭の大木の前にいるのは小喬だけではないようだ。
「おや」
ゆっくりとした足取りで周瑜が近づいて行く。
大木に寄りかかってすやすやと安らかな寝息を立てているのは小喬に間違いない。
その隣りに呂蒙の膝を枕に尚香もすやすやと眠っている。
「周瑜殿」
驚いたような困ったような表情を浮かべた呂蒙の姿に周瑜は苦笑する。
「申し訳ありません」
「何を謝っている? 小喬が面倒を掛けたな。
彼女が眠ってしまってどうしたら良いのか分からなくなったのだろう?」
「はぁ」
事の次第はすぐに理解できた。
周瑜を呼びにいこうにも一人、残して置いていけなかったのだろう。
人を呼ぶにしても大きな声を出せば起きてしまう。
呂蒙は困ったに違いない。
「それにしても…」
「姫が小喬殿の作られた菓子をねだったものですから」
「なるほど」
ゆっくりと起こさないように周瑜は小喬を抱きかかえた。
「すまんがそっちはお前に頼むぞ」
呂蒙の膝の上で尚香はまだ眠ったままだ。
小喬を抱えたまま周瑜は回廊を自分の執務室に向かって歩き出した。
大木の下には呂蒙と尚香だけが残された。
秋の風が爽やかに吹いていた。
*****
周瑜は妻を起こさないように回廊をゆっくりとした足取りで歩いていた。
風も陽光も心地よい。これでは眠くなって当然だろう。
周瑜は欠伸をかみ殺して苦笑した。
周瑜の腕の中で小喬が身じろぎした。
「あれ? 周瑜様?」
「居ないから心配した」
「ごめんなさい」
「今日はこの陽気だ。大目に見よう」
「うん、周瑜様、大好き」
周瑜の首にしがみ付いて小喬はまた心地よい良い眠りに落ちていった。
*****


 誕生祝いにもらってしまいました!
 「幻想遊戯」管理人の藤井桜さまの瑜小です!!
 颯爽とした周瑜のカッコイイことv
 そして、この萌えシチュエーション!!
 さりげなくオールスターです。呉夫婦に蒙尚で♪
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