挨拶

 いつ生命の終わりがくるかわからない世の中だから、できるだけ一緒にいたい。
 そう思うのはわがままななのかな?
 大好きになった人は忙しい人だった。
 目覚めると、ぬくもりすら感じられない寝台で独りきり。
 ご飯も一緒に食べられない。
 そんな状態だから『行ってらっしゃい』も言えない。
 笑顔で見送りたいのに、独りぼっちで朝ご飯を食べる。
 ためいきがこぼれそうになるけれども、我慢。
 この国のために、平和のために、頑張っている人だから。
 せめて『お帰りなさい』ぐらいは言いたい。
 ちゃんと笑顔で。

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